土地の「分筆」とは?どんなことをするの?

不動産知識

寺田 裕太郎

筆者 寺田 裕太郎

不動産キャリア14年

不動産売却も「分筆」すれば一部のみ売ることも可能!

「実家だった不動産を相続し、想い入れがあるため売却したくないが、お金も少し必要だ。」

「兄弟で不動産を相続したが、一人は売却を希望している。もう一人は売却せずに、そこに家を建てたいと考えている。」
例えば、上記のようなご事情を抱えている方に、ぜひ知っておいてほしい方法が、土地を「分筆」して一部を売却する方法です。

今回は、分筆とは何かを見ていきます。
現金のように簡単には分けにくい不動産も、分筆による売却によって、お客様の目的を達成できる可能性があります。

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「分筆」をするメリットとは?不動産を一部のみ売却可能

普段、耳にする機会が少ない「分筆(ぶんぴつ)」とは、1つの土地を複数に分断して、複数の不動産として登記をおこなうことです。
実際に分筆の手続きをすれば、売却をしたいときに、売却したい部分だけを売ることも可能になります。
こうすることで、所有する不動産を全部所有し続けるか、全部売却するかという選択肢以外に、一部を売却するという選択肢が生まれ、相続不動産のスムーズな分配や、より理想的な資産整理ができる可能性が高まります。

分筆するにはどうすれば良い!?

土地を分筆するには、まずは、分筆したい土地と隣接する土地の境界線を全て確定させ、分筆したい土地の面積を確定させる必要があります。

その後、どのように土地を分筆したいか確定させ、その内容の図面を作成し、法務局に分筆登記をおこなう必要があります。

この作業は、一般の人がおこなうことはできず、土地家屋調査士の有資格者がおこなえる作業になります。

そこで、土地家屋調査士の有資格者が在籍している測量事務所を探し、分筆のための一連の作業を依頼することになります。


測量事務所(土地家屋調査士)は、具体的に何をおこなうのでしょうか。

まずは、現地調査や役所調査、所有者が保有している過去の資料調査などを基に、土地の境界線がどこになるのか調べます。

境界線の位置の想定ができたら、実際に隣接する土地の所有者に連絡をして、境界線の位置を現地にて立会い確認をしてもらいます。

この時、道路についてもその道路所有者に境界線を確認してもらいます。

東京都中央区の場合、道路は、区道であれば中央区、都道であれば東京都、国道であれば国が所有者になるので、原則、それぞれの行政担当者に立会い確認をしてもらうことになります。

道路の中には、私道もあり、その場合は、私道所有者に立会い確認をしてもらうことになります。

立会い確認は、原則、分筆したい土地の所有者自身も一緒に立会うことが望ましいです。


立会い確認が無事に終わり、境界線が確定した場合は、それを証明する書類(立会い確認書)を作成します。

書類自体は、測量事務所(土地家屋調査士)が作成し、土地所有者と、隣地所有者がその書類にそれぞれ署名、捺印をおこないます。


境界線が全て決まれば、必で的に土地の形状や面積を確定することができるため、いよいよ、どのように分筆するのか、確定することができます。

分筆内容が確定できれば、あとは法務局に登記をして完了です。

分筆をする際に注意すべきこと

土地の分筆をおこなう際に注意すべきこととしては、まず法令で分筆が制限されている場合があります。

例えば、中央区の場合、法令で地区計画が定められており、最低敷地面積は300㎡以上にしなければならない制限があります。例えば、700㎡の土地を、350㎡ずつに分筆をすることはできますが、500㎡と200㎡に分筆しようとすると、片方が300㎡未満となってしまうため、この分筆は「できない」ことになります。

もともと500㎡の土地であれば、どう分筆しようとしても、300㎡未満の土地が生まれてしまうため、分筆自体ができないことになります。

この制限は、行政地区によって様々のため、分筆を検討する地域の制限をしっかりと調べる必要があります。

その他、土地の分筆の仕方によっては、土地の価値を大きく毀損させてしまう場合があるので、注意が必要です。

極端な場合、土地を分筆することで、その土地に建物を建てられなくなってしまうケースもあり得ます。

一方で、うまく分筆をすることができれば、土地の価値を向上させられるケースもあります。


ご所有の土地を分筆する場合、どのような形態が望ましく、どのような形態は避ける必要があるのかは、その土地に関係する法令や、土地の大きさや形状、道路との関係などによって千差万別です。

測量事務所(土地家屋調査士)は、不動産の価値を判断する専門家ではないため、お客様の土地をどのように分筆すべきかのアドバイスを受けることは難しい可能性があります。

どのように分筆すべきかは、不動産会社にアドバイスを求めるようにしましょう。

まとめ

分筆について基本的なポイントをご紹介しました。
さらっと紹介しましたが、隣地所有者との境界確認の立会いは、一筋縄でいかない場合もあり、様々なトラブルが発生することもあります。

また、どのような分筆をおこなうかで、その不動産の資産性を大きく左右する場合があります。

分筆登記を依頼する測量事務所(土地家屋調査士)や、分筆の仕方を相談する不動産会社次第で、結果は良くも悪くもなります。

サウザンドハンズ株式会社は、分筆登記に強い、実績のある測量事務所(土地家屋調査士)をご紹介可能です。

また、社長による豊富な実績と確かな調査により、お客様の土地が分筆可能かどうかの確認や、分筆する場合の最適なプランのご提案が可能です。

分筆後、必ずしもすぐに一部を売却しない場合でも、ご相談に乗らせていただきます。

分筆を検討されている土地は、中央区以外でもご相談受付可能です。江東区、墨田区、江戸川区などで実績多数ございます。

お客様のニーズに真摯にお答えいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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