個人と法人はどう違う?法人不動産売却における税金の基礎知識を解説
不動産売却をおこなう場合、売主側が支払う費用がいくつか存在します。
税金もそんな費用の1つですが、その種類や計算方法は、売主が個人か法人かで異なってきます。
個人と法人の税金の違いを理解することによって、有利な売却の見極めとより正確な資金管理が可能になるでしょう。
不動産売却を考えている方は、今回解説する税金の計算方法や節税の方法をぜひ役立ててください。
不動産売却における個人と法人の税金の違い
まずは、不動産売却において発生する個人と法人の税金の違いについて確認していきましょう。
個人が不動産を売却した場合、その譲渡所得に対して所得税と住民税が発生します。
譲渡所得は売却金額から不動産の取得費や各種控除の金額を引いて残った利益であり、これがプラスでなければ納税額が増えることはありません。
一方、法人が不動産を売却した際には法人税、法人住民税、法人事業税などの税金が発生します。
法人税は、企業利益に法人税率をかけて算出します。
法人住民税は地域によって税率が異なり、「法人税割+均等割」で求めることが可能です。
法人事業税は、所得に法人事業税率をかけて計算します。
また、印紙税や各種報酬に関する消費税は、個人法人に関わりなく発生する税金です。
法人が不動産売却をおこなった際の税金の計算方法
次は、法人が不動産を売却した際に発生する税金の計算方法について解説します。
法人税は企業利益に法人税率をかけ控除額を差し引いて算出するため、利益が出ていない場合は発生しません。
この際に基準とする利益は、すべての事業に関する損益を合算したものです。
不動産売却に関連する損益だけが参照されるわけではない点に注意しましょう。
法人税の税率は、年間所得や法人の種類によって異なります。
また、法人による土地の売却では、法人税への追加課税として重課税が発生します。
重課税の税率は土地の所有期間によって異なり、5年以下の短期譲渡では10%、5年を越える長期譲渡の場合は5%です。
ただし、この重課税制度は、バブルの頃にできたもので、長らく適用停止が続いており、現時点で令和8年3月31日まで停止されることとなっています。
一方、法人が建物を売却する際には、個人の場合と違い、基本的に消費税が発生します。
そのため法人が土地付きの建物を売却する場合には、土地と建物の価格を分けて計算し、建物価格には消費税が課税されます。
法人が不動産売却をする際に活用できる節税テクニック
次は、不動産売却時の節税方法について解説しましょう。
1つ目の節税方法は、利益を分散させることです。
法人税の基準となる企業利益は、すべての損益を合算して算出します。
そのため、不動産売却で得た利益を役員退職金として支給するといった方法で、税率を下げることが可能です。
また、投資を増やすことも大きな節税効果を持ちます。
設備や人材の投資に用いた金額の一部は法人税から控除が可能なので、不動産の売却と設備投資のタイミングを合わせることで節税が可能です。
その他の節税方法としては、取引日の事業年度を調整する、不動産が国や自治体に収容された際の特別控除を利用するといったものが挙げられます。
まとめ
法人として不動産を売却した場合、法人税を始めとするさまざまな税金が発生します。
それぞれの仕組みや計算方法がわかっていれば節税も可能なので、法人全体の企業利益や投資の状態を把握し、対策を考えておきましょう。
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