
住宅ローン減税、面積要件緩和へ。これまでの50㎡以上が40㎡以上に

住宅購入の市場に一定のインパクトを与えそうなニュースが飛び込んできました。
日本政府、与党にて、住宅ローン減税制度の面積要件緩和が検討されているとのことです。
今回は、この件について深掘り解説します。
住宅ローン減税とは
住宅ローン減税制度とは、住宅ローンを借りて住宅を購入する際に、一定の要件を満たすと所得税や住民税が減税されるという制度です。
住宅ローン控除とも呼ばれます。
住宅ローン減税の一般的な説明は、今回の本筋の話ではないため、国土交通省や国税庁のHPをご参照ください。
住宅ローン減税、面積要件緩和の概要
今回の面積要件緩和について、解説します。
一定の要件には、住宅ローンを借りる人が満たさなければならない要件と、借りる住宅ローンが満たさなければならない要件、そして購入する住宅が満たさなければならない要件があります。
このうち、購入する住宅が満たさなければならない要件に、住宅の面積があります。
現在の住宅ローン控除制度において、この面積要件は、50㎡以上の住宅であることとなっています。
これが、40㎡以上であれば対象となるように、要件の緩和が検討されているとのことです。
実は、2021年度より、新築住宅に限り、世帯所得が1,000万円以下であれば、特例で面積要件が緩和され、40㎡以上50㎡未満の住宅も住宅ローン減税の対象となっていました。
これが今回、中古住宅にも拡充され、かつ所得制限もかからなくなるという緩和方針となります。
緩和された場合の影響
50㎡以上が40㎡以上に緩和されると、最も影響が大きいのは、マンションの1LDKタイプの物件をローン購入する人です。
マンションの1LDKは、標準的な広さが35㎡~40㎡となっており、50㎡以上ある1LDKは、相対的に数が少ないです。
これまで、1LDKの購入を検討する場合は、住宅ローン減税は利用できない前提で住まい探しをすることが多かったのが現実です。
今後は、1LDKのマンションを住宅ローンを利用して購入する場合は、住宅ローン減税が対象となる物件か否かが重要な判断基準になってきます。
売る側にとっても、売れやすさに影響が出ると考えられますし、状況によっては価格に反映される可能性もあり得ます。
なぜこのタイミングで要件緩和されるのか。その理由
このタイミングで面積要件緩和が検討されている要因について解説します。
報道では、居住目的で1LDK等コンパクトな物件を購入する需要が拡大しているため、とされています。
確かに、近年、単身者が「賃貸住宅を借りて住む」ではなく「住宅を購入して住む」という方向にどんどん進んでいっていることに間違いありません。
不動産取引の現場においても、ここ数年で20代の結婚前の若者が1LDKを購入するトレンドが沸き上がっています。
一方で1LDKコンパクトタイプの需要が最も大きい首都圏都心部においては、不動産価格高騰により、新築住宅のみでなく中古住宅に対しても購入支援制度が必要な状態です。
前述したとおり、新築住宅に関しては、2021年度より住宅ローン減税の対象となっていましたが、消費税増税からだいぶ時間が経過し、対象を新築住宅に限る合理的な理由はないと言えます。
このような背景が大いに影響しているでしょう。
住宅ローン減税対象物件を探す際の注意点
今後、実際に制度改定がおこなわれたとして、一つ注意点があります。
この面積要件は、登記簿面積が判断基準となります。
マンションの一室の登記簿面積とは、住宅の壁の内側(室内側)を計測した面積で、内法面積と呼ばれます。
一方、マンションの広告で表示される面積は、壁芯面積といって、壁の中心で計測された面積です。
端的にいうと、内法面積と壁芯面積では、壁の厚み半分の差が生まれ、内法面積は壁芯面積よりも狭くなります。
つまり、広告の面積が40㎡以上のマンションでも、登記簿面積は40㎡未満となっており、実は住宅ローン減税の対象ではない物件であった、ということが起こり得ます。
ざっくりとした目安としては、広告に表示されている面積が44㎡以上あれば、ほぼほぼ登記簿面積が40㎡以上あると思われますが、必ずその物件の販売を担当する不動産会社に登記簿面積を確認するようにしましょう。
面積要件は壁芯面積40㎡以上とするのが望ましい?
面積要件については、個人的に思うところがあり、登記簿(内法)面積40㎡以上ではなく、壁芯面積40㎡以上の水準にすべきではないかと考えます。
まず、現場の状況に即して考えると、感覚的なものになりますが、実際の1LDK物件は、専有面積で40㎡前後の物件が非常に多く、専有面積45㎡前後の1LDKは数は少なめです。
つまり、登記簿面積40㎡以上の要件では、制度の対象となる住宅が思いのほか少なく、より恩恵を受けられる住宅を増やすのであれば、壁芯面積40㎡以上とした方が良いだろうということです。
もう一点、国が定めている「誘導居住面積水準」というものがあります。
定義は、「世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる住宅の面積に関する水準」です。
このうちの「都市居住型(都心とその周辺での共同住宅居住を想定)」の単身世帯の面積水準が40㎡なのですが、この40㎡は壁芯面積基準なのです。
国の決めることに一貫性を持たせるためにも、壁芯面積で40㎡以上の要件となることを切に願います。
なお、面積の確認のために参照される公的な資料は登記事項証明書ですが、そこには登記簿面積しか記載されておらず、それがネックになるということであれば、登記簿面積35㎡以上の要件とするなど、柔軟に対応すれば良いのではないかと考えます。
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